私が日頃お世話になっている教室では、年に一度くらいの頻度で 徒然棚(つれづれだな) のお稽古をします。
棚の形が菱形ということから 菱餅 を連想させるようで、桃の節句・お雛様の時期の3月頃のお稽古に登場します。
あぁそういえばそういう形の棚、ありましたねぇ。。。(忘)
といった感じのため、改めて勉強(復習)したものをまとめてみました。
徒然棚とは
菱形をしている3本柱の棚で、上部が引戸になっています。
引戸の中に茶器を収納して使うのですが、この引戸の扱いがポイントになります。
下の側面は、客付に一段、勝手付に二段の 業平菱(なりひらびし) と呼ばれる菱形に抜かれた模様(透かし)になっています。
裏千家 14代家元 無限斎(淡々斎) 碩叟宗室(むげんさい(たんたんさい) せきそうそうしつ)が好んだ棚だそうです。
無限斎? 淡々斎?
碩叟宗室 は2つ「号」を持っていて、
「淡々斎」の号は、大正6年に結婚した際に、九鬼隆一男爵から頂き、
「無限斎」の号は、大正12年に裏千家家元を襲名し、大正14年に大徳寺488世全提要宗(ぜんていようじゅう)より授けられたとのことです。
(三千家では、家元になるために大徳寺で出家得度します)
「裏千家」と「茶道」の普及・発展に奔走、多大なる貢献をした人物です。(1893(明26)~1964(昭39))
茶器(棗)の取り出し方
お点前をするための事前準備として、この棚の中にあらかじめ茶器を収納しておきます。
(1)茶巾・茶筅・茶杓を仕込んだ茶碗を点前座へ持ち運び、
(2)茶碗を勝手付に一度置きます。
(3)左側の戸を左手で開けます。右手は膝の上に
(4)右側の戸を右手で開けます。左手は膝の上に
(5)右手で茶器を取り出します。
(6)取り出したら、茶器を左掌の上に乗せます。
(7)右側の戸を右手で閉めます。
(8)閉めたら、茶器を上から半月で持ちます。
(9)左側の戸を左手で閉めます。
(10)閉めたら、右手に持っていた茶器を棚の正面、右側へ置きます。
(11)仮置きしていた茶碗を棚の正面、左側へ置きます。
茶器(棗)の仕舞い方
拝見後、棗を両手で扱って棚の方へ向きます。
(1)茶器を上から半月で持ちます。
(2)左側の戸を左手で開けます
(3)茶器を左手の左掌の上に乗せます。
(4)右側の戸を右手で開けます。
(5)右手で茶器を棚の中、真ん中あたりに収納します。
(6)右側の戸を右手で閉めます。左手は膝の上に
(7)左側の戸を左手で閉めます。右手は膝の上に
お客様は 点前座の右側 に座っているので、右側から棚の中が見せないようにするため、
開けて閉めて、の順番は 左→右→右→左 で行う感じですね。
水指の扱い
水指の扱いも特殊です。
水を継ぎ足すときは、水指を手前ギリギリまで移動させます。
蓋は右手で取り、左手で左真横を持ち、そのまま右手で右真横を持って、水指正面に立てかけます。
水を継ぎ足したら蓋を閉め、水指は元の場所・棚中央へ戻します。
水次をする際の水指の扱い
水次をする際の水指の扱いは、棚の柱(足)の数によって変わります。
- 柱が2本=そのまま
- 柱が3本=手前ギリギリまで寄せる
- 柱が4本=棚から降ろす
水次がしやすさや見栄えからかと思います。
あとがき
棚の種類もいろいろとたくさんあるようで、なかなか覚えきれませんが、基本的なところを押さえればあとは応用編なのかなと思っています。
昔の偉人はいろいろな美意識があったのですね。。。
ご参考になれば嬉しいです^-^
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