蓋置と建水の組み合わせに悩むことって、ありませんか?
お稽古の際、水屋で仕組んだものを持ち込むとき、先生からよく組合わせを指摘されたりします。
予習をしてこなかったお点前をする場合は特にそうです。
とは言っても、毎回確認するのもなぁ。。。
暗記物のようなものでもあり、なかなか覚えられず悩みの種なのですが、
一方で、茶道は合理的・論理的なところもあるもの。
きっとなにか法則があるのでないかと思い、自分なりに調べてみました。
蓋置について
竹引切 か それ以外か
先ずはこの2通りに分けられます。
仮に、運びの際に誤って落としたとしても、竹だったら被害が少ないから、なのでしょうか。。。?
私はそう解釈しました。。。(たぶん違うと思いますが)
竹引切の場合
竹引切の場合、いろいろと細かな決まりごとがあるようです
季節による使いわけ
炉によって使いわけをします。
一説には道安と少庵が節の位置の違う蓋置を切って利休に差し出したので、利休は炉・風炉に使いわけるようにした、という話もあるようです。
場面による使いわけ
場面によっても使いわけをするようです。
本来、竹は新しいものは青いもの。
白くなったものは「使い古しの印」のため客前に用いるものではない、との考え方。
「白竹で在判(ざいはん)の無いものは稽古用」と考えたほうが良いようです。
但し、「透かし」や「置上」「蒔絵」など細工のある竹の蓋置は、陶器のもの同様に扱う方が良いらしいです。
「竹引切以外」はいろいろな種類がある
代表的なものとして
火舎(ほや)・五徳(ごとく)・蟹・一閑人(いっかんじん)・三つ人形・三つ葉・栄螺(さざえ)
があり、七種の蓋置と呼ばれています。
蓋置のはじまりは、唐銅の皆具のひとつだったものが独立して作られるようになったもののようです。
穂屋香炉として生まれた 火舎、
灯篭の中に入れられ、土器皿受けに用いられたものを転用した 五徳、
足利義政が慈照院の庭に飾りとして置いたもののうちの一つが武野紹鴎に伝わり、これを用いられたのが始まりとされる 蟹、
等々、いろいろ謂れはあるようです。
一閑人は、もともと「井戸のぞき」といい、井戸を鏡として人が覗き込んでいる姿が基になっていますが、人がいないものを「無閑人」というようです。
建水について
「水を建す(くつがえす)」というところから 建水 と呼ばれるようになったようです。
材質
いろいろと種類に富んでいます。
本当にいろんな種類があるんですね。。
代表的な形
形もいろいろと作られるようになり、「七種の建水」と呼ばれるものが考えられました。
名称 | 読み方 | 説 明 |
---|---|---|
大脇差 | おおわきざし | 利休所持の黄瀬戸。 いつも腰の傍らに置いたため、腰に付ける脇差にちなんでで名付けられたとのこと。 |
差替 | さしかえ | 利休所持の楽焼。 大脇差の小ぶり版 |
棒の先 | ぼうのさき | 輿の棒の先にかぶせた金具に形が似ているところから。 円筒形で底部は少し丸みをもっている |
鎗の鞘 | やりのさや | 槍の先の刃物のところの覆い、鞘に形が似ているところから。 細長く、普通に蓋置が仕組めないため、蓋置は吹貫などを使う |
箪瓢 | たんぴょう | 文字通り、瓢箪のような形をしているもの |
鉄盥 | かなだらい | 口が広く浅くて背の低い。平建水ともいわれる |
餌畚 | えふご | 利休形でよく使われる形。餌を入れる袋に形が似ているところから |
「大脇差」の名称にあるように、茶道は武士にとって身近な存在だったことを想像させます。。
蓋置と建水の組み合わせ
明確な線引きは無いようですが、ある一定の考え方はあるようです。
- 木地曲建水 と 青竹蓋置 は約束事
- 建水 と 蓋置 同士が傷つけ合わない種類を選ぶ
(金属同士・焼き物同士 は避ける) - 釜の蓋の大きさ と 蓋置の大きさ のバランスを考える
(大蓋には大型の蓋置 など)
先ずは、この3つを押さえることかな、と思います。
「道具を大事に」。 これに尽きるのかなと思います。
あとがき
普段のお稽古で使っているものしか知らなかったのですが、調べていくとその種類や謂れが本当にたくさんあって、昔の茶人の道具へのこだわりを感じました。
まだまだ知らないことがたくさんあるので、勉強してまとめていきたいと思います。
ご参考になれば嬉しいです ^-^♪
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